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日々是劇評

関東圏内で観てきた舞台について率直に感想を書いています。
 自分用の観劇備忘録みたいなもんなんで遠慮なく辛口な批評もしています。
※サイト移転しました。

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47 ENGINE 2013新春公演 「幕末純情伝」

【脚本】
つかこうへい

【演出】
村崎三雷

【キャスト】
三木美毅 村岡典文 宮川浩明 川瀬忠行 高山範彦 本多摂 伊藤佳範
楮山啓介 永里健太朗 中道宏幸 臼井章悟 吉田一寿 猿橋祐子 高野将吉
間根山雄太 貴田みどり 青木友成 布佐良幸 竜牙 塩田竜也 鈴木雄三 
古畑恵介 田邊久乃 金野愛弓 金城ちえ 金城舞子 佐藤茉衣 小浦明日香

【日程】
2013年1月25日(金)~2月3日(日)

【会場】
新宿タイニイアイス

【チケット料金】
前売3000円、当日3300円
※平日昼の回は500円割引

【公式HP】
http://dive-off-the-stage.com/

==================================

言わずと知れたつかこうへいの名作。
幕末の時代、沖田総司が女であるという設定で描かれた
史実とは近いようで遠いパラレルストーリー。

死の病を背負いながらも新撰組隊士として働く沖田総司。
敵の立場である坂本龍馬は沖田にぞっこんで激しいアタックをかけ続ける。
沖田はすでに土方と恋仲であるが、土方の「国のためではなく自分達のため」という
賛同し難い考えに迷い、逆に龍馬の理想に揺れ動かされる沖田。

自らが成し遂げた大政奉還後に捨駒にされた龍馬は命を狙われることになる。
その暗殺指令を命じられるのはなんと沖田。
2人の恋の行方は・・・。



つかこうへいの幕末純情伝。
映画化もされている超有名戯曲だ。
一昨年につかこうへいが亡くなったこともあって
この数年だけでもかなりの数の団体がこれを上演したのではないだろうか。

いろんな団体が「幕末純情伝」を上演すれば、もちろんピンからキリまで出てくる。
その中でこの47ENGINEがやった「幕末純情伝」は非常に良い部類ではなかろうか。
元々つか作品をやりなれている団体というのもあってか、
演出も役者も脚本の魅せ方をちゃんと知っているなという印象を受けた。

早い口調でテンポをあげてどんどんシーンを展開させ、
激しいテンションで喜怒哀楽をキレよく表現し、
舞台上をあっちへこっちへ走り回る。
下ネタを多数放り込みながらも、それが役としてリアルであるため不思議とやらしくない。
そして最後には圧倒的な感動を与える。

どれもこうやって文章にするのはたやすいが、
演出と役者にかなりの技量が必要な、難易度の高い作業だといえる。
それを見事にこなしていた彼らは素晴らしいと思った。

2時間40分、全く飽きる瞬間なく観れた作品だった。
これからもつかこうへい作品を愛し、上演し続けてほしい団体だと思った。
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Re:Play 第三回公演 「犯罪者」

【作】
井村容子

【演出】
小林ともゆき

キャスト】
ZYNM、石戸サダヨシ、児玉尚幸、SUMIO、波多野考、
井村容子、美濃宏之(劇団東京ルネッサンス)

日程】
2013年1月24日(木)~1月27日(日)

【会場】
RAFT @東中野

【料金】
前売り/当日共 2300円

【公式HP】
Re:Play公式ブログ

==================================

5人の男と1人の女が「犯罪」について、
ある戯曲を演じながら考えていく、そういった感じの作品。

メインキャストとして、浮気が原因で妻と離婚したサラリーマン、その浮気相手、
新興宗教にハマる男、ホスト、医者、二次元オタクがいて、
それぞれの話が連携しながらもオムニバス的に流れていく。

舞台セットはほとんどなく、着替えは舞台奥に全て並べてあり、
役者が後の方で衣装チェンジをしている姿はお客から見えた状態。
ハケ口の概念もないので全方位からめまぐるしく役者が出入りしていく。



6人の役者がメインキャストを演じつつも、その場面に合わせて様々な役をこなし、
どんどんとストーリーを展開させていた。
1人あたり5~8役ぐらいあっただろうか。
どの役者もそれぞれ力量があって、メイン役以外での演じわけもしっかりしていたため
好感を持って最後まで見ることができた。

個人的にはストーリーの盛り上がりが中盤にあって、
後半やや尻すぼみかなという印象はあったが、
人間の心の闇の部分を掘り起こして描いていたそのテーマは良かったように思う。
最後のシメの「なんでもいいんじゃない」的なうやむや感はちょっとアレだけど。


あと、この舞台、開場後の客入れの時点から役者が舞台にスタンバっていて、
素で雑談をしたりストレッチしたりしていたのだが、
まぁ、コレ自体は演出としてアリだと思う。
ただ、それをしながら入場してくるお客に「いらっしゃいませ」と役者が挨拶するのは違和感を感じた。

お客に「いらっしゃいませ」の挨拶をするきちんと礼儀を保った状態、
素の状態でリラックスしながら仲間とダラダラおしゃべりして盛り上がってる状態、
この2つの両立は無理じゃないだろうか?
今回の客入れに気持ち悪さを感じたのは自分だけではないと思うのだが。

考えすぎ?




らちゃかん 第15回公演 「鎌ヶ谷中年ヒーロー」

【作・演出】
藤田英明

【キャスト】
高野ちん太郎、藤田英明、荒井志乃、三浦ヤスタカ、市田ヲサム、
中島つづみ、浜田えみこ、綱川敦、影山美香、中島希望(劇団ドアのぶ。)、
林充晃(流星揚羽)、佐藤こてつ、石山慶、永峰あや、大木剛広 OGA-SAN

【日程】
2013年1月17日(木)~20日(日) 全7ステージ

【会場】
池袋BASE THEATER

【チケット】
前売・当日 2,500円
全席自由席

【公式HP】
らちゃかん公式HP

============================

近年ワンシチュエーションコメディを手掛けてきたらちゃかんが挑むのは、
なんとヒーロー物!
糖尿病を抱えた中年が、鎌ヶ谷を舞台にありがた迷惑な正義を振りかざす!
「俺の血糖値をナメんじゃねぇ!」
家族や友人を巻き込んで至上最高の決戦がいま幕を開ける!


以上、公式HPからあらすじを抜粋。


前回公演「よつあしダディ」が非常に面白かったので
かなり期待して観に行ったのだが・・・正直うーんといったデキだった。


まず最初の前説。
ヒーローと悪役が出てきてちょっとしたショーを繰り広げるのだが、
トークもアクションもあまりにお粗末。
盛り上がりは全くなく、逆に観劇前のモチベーションをガクンと下げられてしまった。

この前説、小屋入りした時点での仕上がりをみても
カットしようという気にはならなかったのだろうか?
本編と関係ないんだからカットしても全く支障ないのに。
クオリティ低くスベリ倒すような前説ならしないほうがマシだ。


そして本編。
ストーリーがちょっと。。。。

市長が市の特産物の梨に助成金を払いたくないために細菌の研究をして、
その細菌をばらまくことによって梨畑を全滅させる計画を立てる、
細菌は農家夫婦の嫁を人質にとって旦那に実行犯としてばらまかせる。

イヤイヤイヤイヤ(汗)
やり方が面倒臭過ぎる上に足もつくでしょソレ。
そんなムチャクチャな。
完全に低学年向けアニメの悪の組織のやり方だよ。

ヒーローショーで悪の手下役ばかりやってきた冴えない中年が
現実でそういった悪(市長)に対してヒーローとして立ち向かうって話なのだが、
現実の悪をアニメの悪と同じレベルにしてしまっては話が台無しだと思う。
それだとそれに立ち向かう主人公までもが陳腐になってしまう。
そんな状況で主人公にヒーローへの想いを語られても感情移入できないよ。


あと芝居面では前半のタルさが異常だった。
放り込んでくる小ネタはどれもレベルが低くて笑えないし、
テンポがずっと悪く、観ていて気持ち悪くてしかたない。

ブッ飛んでて面白い奥さんの幽霊が出てくるまでは
見れるシーンがなさ過ぎて本当に辛かった。
隣のお客さん開始10分でイビキかきはじめたし。
前半にもっとお客を引き込む要素を盛り込んでほしかった。

後半はストーリーが大きく展開して盛り上がった感はあったが、
やはり前半のタルさが大きな足枷になって、終演後にそこまでの感動はなかった。


うーん、かなり期待して観にきただけに、今回のハズレ方はショックだったなぁ。
普段はシチュエーションコメディばかりやっていて、
こういうタイプの芝居はある種の挑戦だったのかもしれないが、
残念ながら今回は結果には結びつかなかったようだ。

個人的にはこの劇団はシチュエーションコメディに徹してほしいなと思った。
演出、脚本、役者の質をみる限りでは、
もう一度このタイプの芝居に挑戦したところでおそらくまた同じ結果なんじゃないかなと。

シチュエーションコメディというジャンルでしっかり武器を持った団体だと思うので
その武器を捨てずに大事に磨いてほしい。




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