日々是劇評
関東圏内で観てきた舞台について率直に感想を書いています。自分用の観劇備忘録みたいなもんなんで遠慮なく辛口な批評もしています。
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虹の素 #02 「つきのいし」
【脚本・演出】
くまでたくま
【キャスト】
2012年
8月31日 19:00
9月1日 14:00 / 19:00
9月2日 13:00 / 18:00
【会場】
相鉄本多劇場
【チケット】
前売・当日 2,000円
高校生以下 1,500円
【公式HP】
虹の素 公式HP
============================
宇宙開発事業を行っている施設がある街。
とある日に打ち上げられたロケットは発射直後に異常をきたして軌道を逸らし、
街に落下して多くの命を奪う大惨事を引き起こしてしまった。
この事故はいろんな人間の人生を狂わせた。
事故の責任を追及されて自殺してしまった父を持つ村山。
ロケットに乗って死亡したパイロットの弟、安藤。
宇宙事業縮小により奨学金を失い、宇宙開発学校を辞めざるを得なくなった本多。
ロケット落下事故で家族を失った市川。
同じく落下事故で恋人が植物人間状態になってしまった有原。
それから何年かした後ロケット事業は発展し、見事に月に上陸、月の石を持ち帰る。
月の石は展示されることとなり、街は賑わう。
そのとき一つの光が街に舞い降り、それに本多が遭遇する。
それは別の月の石(ルナ)で、月光を浴びると人の姿になるという精霊的存在だった。
人間が持ち帰った月の石(アテナ)を取り戻しに来たのだという。
本多達はアテナに協力してルナを奪還し、
なんとかロケットを奪って月に戻してやろうと計画する。
復讐鬼となってしまった有原が意図的に新たなロケット事故を
引き起こそうとしているのを防ぎつつ月に向かう。
しかし計画性なく行ったその行動は残念ながら苦渋を飲む結果に。
10年後、正式にパイロットになった彼らは月の石を連れて月に向かう。
ハッピーエンド。
もしかしたら細かな設定は違っていたかもしれないが、
おおまかにまとめると大体はこんな感じのお話。
ちょっとテーマが多過ぎてまとめきれていない印象が強かった。
なんだか色々と手を出し過ぎてる。
重た過ぎるぐらいの過去を抱えている人間同士の恋模様。
孤児院を立て直したい少年と、その挫折、失踪、再会。
人間の姿をしていて自らの意思を持っている月の石、ケガを治す不思議な力。
月の石を盗み出すハッカーの女の子。
テロを起こそうとしている復讐鬼の先生。
宇宙で行われるロケットのカーチェイス(?)。
ミュージカルの空気ゼロだったのにいきなり歌って踊り出すメインキャスト。
そして開演直前に行われる独立したおまけのような小芝居。
120分の芝居にとにかくいろんな要素が詰められていて、
なんだかどれも中途半端でしまりのないものになってしまっていた。
まとめる技術がないならば、要素は2、3つに絞るべきだ。
あと話全体にツッコミどころが多すぎるのも難。
死に至る高さのガケから落ちそうな女性を必死に支えている青年を不良達がなんのためらいもなく叩き落とすし、
月の石ルナは月から自力でやってきたくせに自力で帰れないし、
月の石が人間の姿に変身する事への皆の驚きの少なさと、順応の速さはとてつもないし、
自分の正義を貫く刑事さんが盗聴器つけたり、妹を人質にしたりするし、
自爆プログラムをこっそりロケットに組み込むとかまず無理だし(単体テスト・結合テスト・運用テストなどの多人数で幾重にも行われるテストで発見されないようなプログラムを個人の力で埋め込むのはまず不可能。宇宙事業ほどの厳重で慎重なものなら尚更)、
学生達がいとも簡単にロケットを強奪・発射・操縦できたりするし、
さらに先生達は別のロケットに乗って追いかけてきたりするし、
ロケット強奪、発射までした青年達は特に責任を問われた様子もなく10年後には普通に宇宙飛行士になっているし(ロケット開発から打ち上げまでの費用を考えると100億円前後の損害、勝手に発射したことでの安全面の責任追及を考えると、とてもシャバで真っ当な生活を送れるとは思えない)
・・・うーん、ホントにツッコミどころ満載過ぎ(汗)
「芝居の嘘だから」とか、「SFだから」とかで誤魔化せる範囲はとうに超えている。
こういう部分で嘘が多くなると、お客にはその世界は嘘の世界でしかなくなってしまい、
そこでどんなに登場人物が生の感情をさらけ出しても
それは陳腐な「嘘の世界の中の嘘の感情」にしか見えなくなってしまう。
これは非常に残念な点である。
実際、技量的にはまだまだ未熟な感はありつつも、役者の熱量は十分にあった。
シーンによっては心を揺さぶられた瞬間もあった。
それだけにストーリー上の嘘はとにかく消す努力をしてほしい。
安易な嘘はせっかくの熱演を簡単にダメにしてしまう。
良い部分はちゃんと持っている。
いまどき珍しいピュアな脚本ジャンルも嫌いではない。
若い劇団のようなのでこれからに期待したい。
【脚本・演出】
くまでたくま
【キャスト】
浅井大輔(文教大学 劇団NoN-Spoil)、植野祐美、太田歌穂、神島栞、熊手竜久馬、
佐藤和、里見駿、鈴木佑一郎、高島典子(立花演劇研究所)、中野燎(劇団ひまわり)
林正春(劇団ひまわり)、廣瀬優里、布施晃、松崎夢乃、宮内結、村上裕亮、山本詩穂
【日程】佐藤和、里見駿、鈴木佑一郎、高島典子(立花演劇研究所)、中野燎(劇団ひまわり)
林正春(劇団ひまわり)、廣瀬優里、布施晃、松崎夢乃、宮内結、村上裕亮、山本詩穂
2012年
8月31日 19:00
9月1日 14:00 / 19:00
9月2日 13:00 / 18:00
【会場】
相鉄本多劇場
【チケット】
前売・当日 2,000円
高校生以下 1,500円
【公式HP】
虹の素 公式HP
============================
宇宙開発事業を行っている施設がある街。
とある日に打ち上げられたロケットは発射直後に異常をきたして軌道を逸らし、
街に落下して多くの命を奪う大惨事を引き起こしてしまった。
この事故はいろんな人間の人生を狂わせた。
事故の責任を追及されて自殺してしまった父を持つ村山。
ロケットに乗って死亡したパイロットの弟、安藤。
宇宙事業縮小により奨学金を失い、宇宙開発学校を辞めざるを得なくなった本多。
ロケット落下事故で家族を失った市川。
同じく落下事故で恋人が植物人間状態になってしまった有原。
それから何年かした後ロケット事業は発展し、見事に月に上陸、月の石を持ち帰る。
月の石は展示されることとなり、街は賑わう。
そのとき一つの光が街に舞い降り、それに本多が遭遇する。
それは別の月の石(ルナ)で、月光を浴びると人の姿になるという精霊的存在だった。
人間が持ち帰った月の石(アテナ)を取り戻しに来たのだという。
本多達はアテナに協力してルナを奪還し、
なんとかロケットを奪って月に戻してやろうと計画する。
復讐鬼となってしまった有原が意図的に新たなロケット事故を
引き起こそうとしているのを防ぎつつ月に向かう。
しかし計画性なく行ったその行動は残念ながら苦渋を飲む結果に。
10年後、正式にパイロットになった彼らは月の石を連れて月に向かう。
ハッピーエンド。
もしかしたら細かな設定は違っていたかもしれないが、
おおまかにまとめると大体はこんな感じのお話。
ちょっとテーマが多過ぎてまとめきれていない印象が強かった。
なんだか色々と手を出し過ぎてる。
重た過ぎるぐらいの過去を抱えている人間同士の恋模様。
孤児院を立て直したい少年と、その挫折、失踪、再会。
人間の姿をしていて自らの意思を持っている月の石、ケガを治す不思議な力。
月の石を盗み出すハッカーの女の子。
テロを起こそうとしている復讐鬼の先生。
宇宙で行われるロケットのカーチェイス(?)。
ミュージカルの空気ゼロだったのにいきなり歌って踊り出すメインキャスト。
そして開演直前に行われる独立したおまけのような小芝居。
120分の芝居にとにかくいろんな要素が詰められていて、
なんだかどれも中途半端でしまりのないものになってしまっていた。
まとめる技術がないならば、要素は2、3つに絞るべきだ。
あと話全体にツッコミどころが多すぎるのも難。
死に至る高さのガケから落ちそうな女性を必死に支えている青年を不良達がなんのためらいもなく叩き落とすし、
月の石ルナは月から自力でやってきたくせに自力で帰れないし、
月の石が人間の姿に変身する事への皆の驚きの少なさと、順応の速さはとてつもないし、
自分の正義を貫く刑事さんが盗聴器つけたり、妹を人質にしたりするし、
自爆プログラムをこっそりロケットに組み込むとかまず無理だし(単体テスト・結合テスト・運用テストなどの多人数で幾重にも行われるテストで発見されないようなプログラムを個人の力で埋め込むのはまず不可能。宇宙事業ほどの厳重で慎重なものなら尚更)、
学生達がいとも簡単にロケットを強奪・発射・操縦できたりするし、
さらに先生達は別のロケットに乗って追いかけてきたりするし、
ロケット強奪、発射までした青年達は特に責任を問われた様子もなく10年後には普通に宇宙飛行士になっているし(ロケット開発から打ち上げまでの費用を考えると100億円前後の損害、勝手に発射したことでの安全面の責任追及を考えると、とてもシャバで真っ当な生活を送れるとは思えない)
・・・うーん、ホントにツッコミどころ満載過ぎ(汗)
「芝居の嘘だから」とか、「SFだから」とかで誤魔化せる範囲はとうに超えている。
こういう部分で嘘が多くなると、お客にはその世界は嘘の世界でしかなくなってしまい、
そこでどんなに登場人物が生の感情をさらけ出しても
それは陳腐な「嘘の世界の中の嘘の感情」にしか見えなくなってしまう。
これは非常に残念な点である。
実際、技量的にはまだまだ未熟な感はありつつも、役者の熱量は十分にあった。
シーンによっては心を揺さぶられた瞬間もあった。
それだけにストーリー上の嘘はとにかく消す努力をしてほしい。
安易な嘘はせっかくの熱演を簡単にダメにしてしまう。
良い部分はちゃんと持っている。
いまどき珍しいピュアな脚本ジャンルも嫌いではない。
若い劇団のようなのでこれからに期待したい。
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