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日々是劇評

関東圏内で観てきた舞台について率直に感想を書いています。
 自分用の観劇備忘録みたいなもんなんで遠慮なく辛口な批評もしています。
※サイト移転しました。

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アトリエ・ダンカン プロデュース 「教授」

【原作】
五木寛之著: わが人生の歌がたり

【脚本構成・演出】
鈴木勝秀

【キャスト】
椎名桔平、田中麗奈、高橋一生、岡田浩暉、坂田聡、伊達暁、佐々木喜英、上條恒彦、中村中

【日替わりトークゲスト】
中尾ミエ、木の実ナナ、佐々木喜英、鈴木雅之、山崎ハコ、元ちとせ、園まり、
坂井邦先、由紀さおり、松原健之、クミコ、加藤登紀子、五木寛之、石井一孝、
山崎育三郎、一青窈、ジェロ、尾藤イサオ、岡田浩暉、上條恒彦

【日程】
2013年
2月7日(木)~24日(日) 全22回公演

【会場】
シアターコクーン

【チケット料金】
S席 8,500円
A席 7,000円
コクーンシート 5,000円

【公式HP】
http://www.duncan.co.jp/web/stage/professor/

==================================

時代は1960年代の、安保闘争や労働争議が活発な日本。
学生運動の騒動から逃げてきた2人の学生が逃げ込んだ部屋、
それは寄生虫の研究をする変わり者の大学教授(椎名桔平)だった。
彼の展開する持論に引かれた学生(田中麗奈)は
その後、その研究室に入って彼の元で助手として働くことになる。

教授に淡い想いを描きながらもその想いはなかなか届かない。
一方で教授は、過去に戦死した親友から恋人を奪ってしまったことを悔やみ、
寄生虫を体内に飼うことで死を近づけ続けている。

高度経済成長期のめまぐりしく変わる環境の中、
いろんな人間関係が絡んだ切なくも愛おしい物語。


まぁ、ざっくり言うとそんな感じのお芝居。

舞台奥の壁にはピアノのオケスペースが設置されていて、
劇中では中村中が生演奏で歌と伴奏を披露してくれていた。
あと手前は基本的に平舞台で、移動可能な寄生虫標本の棚が3つと、
イス代わりの箱がいくつか。
非常にシンプルな舞台だ。


自分は原作を読んでいないので、元々そういう構成の話なのか、
それとも鈴木勝秀氏が今回構成したのかわからないが、
序盤の安保闘争についての主張の話がとにかくしんどかった。

長いし、くどいし、感情に任せすぎていて、聞いていてひたすら疲れる。
演劇作品の冒頭シーンからいきなりコレをやるのはどうかと思った。
お客としては別にアジ演説を聞きに劇場にきたわけじゃないんだが・・・(汗)
観たいのは安保闘争の中で揺れ動く人間の感情であって、
安保闘争の解説ではない。

話が進んで、躍動感ある男性陣のシーンになるとかなり持ち直し、
他のお客もそのあたりから舞台に引き込まれていったように感じる。
椎名桔平、坂田聡、上条恒彦あたりの砕けてナチュラルなのに、
それでいて味のある演技には好感を持つ。


ただ、そのあたりから気になり始めたのは場転。
舞台上にある大きな棚をいろんな配置に変えて場転を表現しているのだが、
さっきと違うってだけでその棚の配置にまったく意味を見出せないし、
ブルーライト暗転で役者がもたもた動かす意味もわからない。
しかもそのとき流れているBGMはまるで電波があわないラジオのノイズのような耳障りな音。
何を意図してこういう場転にしたのか全く理解できなかった。
終演後にロビーを出るまでに雑踏の中でいろんな感想を耳にしたが、
みな口を揃えて「あの雑音は何?」ってことばかり言っていた。

うーん、せっかくピアノのオケがあって、作品テーマに昭和歌謡が含まれているんだから
何かしら演奏するとか歌うとかの場転でいいと思うのだが・・・。
なんであんな風にしてしまったのだろう。


話が終盤に入ると、助手の告白があったり、
教授の息子が教授に対して殺意を持って現れたり、
いろいろと展開はするが、まぁベタにうまくいってチャンチャンって感じの終わり方。
最近ひねくれた展開をする芝居を観すぎたせいか、ちょっと物足りなく感じてしまった。
まぁ、ベタでもいいんだけどね(笑)

あ、あと椎名桔平がキャスティングとして、ちょっと若過ぎると思ったのは自分だけ?
年齢を上げるようなメイクはある程度していたんだろうけども、2階席から観るとまったく見えないから、
劇中で歳の差を話題にする話になったときなんかに違和感を覚えてしまった。
だって立ち姿からだけだと、フレッシュでしっかりしてるように見えるから(笑)
 

全体的にみると、悪くないけど別に良くもないかな、みたいな感じ。
そんな漠然とした感想を持ってしまった。
椎名桔平や田中麗奈は熱演だったと思うし、ノスタルジックな空気もいい感じだったけど・・・
なんだか心はあまり揺さぶられなかった。

内容的にも、もしかしたらコクーンのような大劇場より
小劇場でやったほうがいいタイプの芝居なのかもしれない。
それだと抱いた感想も全然変わったかも。

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