日々是劇評
関東圏内で観てきた舞台について率直に感想を書いています。自分用の観劇備忘録みたいなもんなんで遠慮なく辛口な批評もしています。
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川崎インキュベーター主催公演 「光る時間(ひかるとき)」
【脚本】
渡辺えり
【演出】
秋葉舞滝子(SPIRAL MOON)
【キャスト】
星達也、鈴木千賀子、延田知香、城戸啓佑、宇野仁美、西村めぐみ、滝沢信、後藤隆宣、
赤嶺鬼若、ひとみまさこ(A)、中野聡子(B)、為平康規(A)、五来英顕(B)
【日程】
2012年
8月10日(金)19:30(A)
8月11日(土)14:00(A)、18:00(B)
8月12日(日)14:00(B)
【会場】
ラゾーナ川崎プラザソル
【チケット】
前売・当日 3,000円
川崎市民・川崎インキュベーター会員・60歳以上 2,500円
全席自由席
【公式ブログ】
川崎インキュベーター「光る時間」 公式ブログ
============================
舞台はとある旅館の一室から。
姉とその弟夫婦が自分達の両親をねぎらうために家族旅行で訪れていた。
父が70歳の誕生日であるためその誕生祝いも兼ねていた。
しかしタイミングが悪く、旅館はいたるところで工事中、
部屋の中も騒音がひどくてとてもくつろげる状況ではない。
せっかくの家族旅行がうまくいかない弟はずっと機嫌が悪い。
そこに父の友人を名乗る老人たちが次々と現れて勝手に宴会を始めてしまう。
父が自分で呼び集めたらしいが、半分ボケているため本人はそれを思い出せない。
母はいつものことだからと納得し、姉弟は家族水いらずのはずなのにと困惑。
話が進むうちに、彼らは戦時中に生死を共にした友人達だとわかり、当時の回想シーンへ。
友人の戦死や兄の収監とその死、爆撃される工場への理不尽な待機命令。
工場で死の危機を乗り越えたときにされた約束が、
実はこの70歳の誕生日に果たされるものだということがわかる。
ざっくり言うとそんな感じのお話。
舞台は旅館の8畳間が中央奥に作られており、
上手や下手の脇のほうはただの暗い空間。
前半1時間の旅館シーンの間はこの状態が続くのだが、正直寂しい感じがした。
これだけ大きなハコでこういうセットを組むと視覚的に非常に遠く見えてしまうし、
脇の暗い空間に意味が全くないため、空間の無駄遣いにしか思えなくて残念。
戦時中の回想シーンに入ると奥の壁パネルが倒れて
屋根の上になるという仕掛けがされていた。
その仕掛けはダイナミックで転換も早くて 「おおっ」と思った。
ベタではあるが、しっかりと作られた良い装置だと思う。
脇の空間はここからはサスを入れて登場人物の独白などに使われているのだが、
これはイマイチ効果的には思えず。
もっと小さな劇場でやって脇の空間なんてなくしてしまったほうが良かったのではないだろうか。
もしプラザソルでやらなければいけないという制約があったのなら、
もうちょっと違う舞台装置の構成を考えるべきだと思う。
話的には序盤でお客を掴めなかったのが痛手だったように感じた。
70歳の老人を演じる役者が軒並み20代か30代にしか見えなかったという
見た目の問題もあったたが、どちらかというと会話が回っていなかったのが大きな問題。
振り回す立場、振り回される立場が明確になっていて
そのやりとりの妙で笑わせることができる部分がいっぱいあるのに
それを取りこぼしまくっているのだ。
台詞の投げ方が上手い役者が少なかったせいでもあるが、
なにより振り回される弟が「怒り」を前面に押し出し過ぎているのが大きな原因だと思う。
漫才でツッコミがブチ切れていたら笑えないのと一緒。
振り回される側は「怒り」以外で「振り回されている」を表現しなければ見ている側は笑えない。
そのため老人の横暴に弟がただキレまくっているという、
見ていてただ居心地の悪いシーンになっていた。
コメディとまでは言わないが、お客が楽しくドタバタを見れるように仕上げられれば良かったのに。
これでは弟はもちろん、振り回している側の老人達も悪に見えてしまい、
お客は彼らに嫌悪感しか感じなくなってしまう。
そして老人達に悪い印象を持たれたまま回想シーンに入ってしまっては、
そこで生きる彼らの若い姿に共感なんて得ようもない。
後半の回想シーンが大事なはずなのに、
この時点で作品として全体的に破綻してしまうのだ。
実際どうしても自分は登場人物達に感情移入ができず、
どんなに良い台詞を聞いてもイマイチ心に響いてくることはなかった。
伝えたいメッセージがあるからこそ、この時期にこの作品を演ったのだと思うのだが・・・。
なんだか残念な仕上がりの作品になっていたように感じた。
あと父役と、若い頃の父役を別の役者が演じていたのはどういった事情だったのだろうか。
趣味の問題、演出の都合、政治的な事情、いろいろあるだろうが、
この点についてだけは、100%同じ役者が演じるべきであったと断言したい。
別人で演じ分けることで作品が持つ意味はゼロであろう。
見ていていろいろ疑問符が出てしまった作品だった。
個人的な要望として、あまり戦争物の作品でコケてほしくない気持ちがある。
忘れてはいけないものだから、それの伝え方ももう少し丁寧にしっかりやってほしいと思った。
【脚本】
渡辺えり
【演出】
秋葉舞滝子(SPIRAL MOON)
【キャスト】
星達也、鈴木千賀子、延田知香、城戸啓佑、宇野仁美、西村めぐみ、滝沢信、後藤隆宣、
赤嶺鬼若、ひとみまさこ(A)、中野聡子(B)、為平康規(A)、五来英顕(B)
【日程】
2012年
8月10日(金)19:30(A)
8月11日(土)14:00(A)、18:00(B)
8月12日(日)14:00(B)
【会場】
ラゾーナ川崎プラザソル
【チケット】
前売・当日 3,000円
川崎市民・川崎インキュベーター会員・60歳以上 2,500円
全席自由席
【公式ブログ】
川崎インキュベーター「光る時間」 公式ブログ
============================
舞台はとある旅館の一室から。
姉とその弟夫婦が自分達の両親をねぎらうために家族旅行で訪れていた。
父が70歳の誕生日であるためその誕生祝いも兼ねていた。
しかしタイミングが悪く、旅館はいたるところで工事中、
部屋の中も騒音がひどくてとてもくつろげる状況ではない。
せっかくの家族旅行がうまくいかない弟はずっと機嫌が悪い。
そこに父の友人を名乗る老人たちが次々と現れて勝手に宴会を始めてしまう。
父が自分で呼び集めたらしいが、半分ボケているため本人はそれを思い出せない。
母はいつものことだからと納得し、姉弟は家族水いらずのはずなのにと困惑。
話が進むうちに、彼らは戦時中に生死を共にした友人達だとわかり、当時の回想シーンへ。
友人の戦死や兄の収監とその死、爆撃される工場への理不尽な待機命令。
工場で死の危機を乗り越えたときにされた約束が、
実はこの70歳の誕生日に果たされるものだということがわかる。
ざっくり言うとそんな感じのお話。
舞台は旅館の8畳間が中央奥に作られており、
上手や下手の脇のほうはただの暗い空間。
前半1時間の旅館シーンの間はこの状態が続くのだが、正直寂しい感じがした。
これだけ大きなハコでこういうセットを組むと視覚的に非常に遠く見えてしまうし、
脇の暗い空間に意味が全くないため、空間の無駄遣いにしか思えなくて残念。
戦時中の回想シーンに入ると奥の壁パネルが倒れて
屋根の上になるという仕掛けがされていた。
その仕掛けはダイナミックで転換も早くて 「おおっ」と思った。
ベタではあるが、しっかりと作られた良い装置だと思う。
脇の空間はここからはサスを入れて登場人物の独白などに使われているのだが、
これはイマイチ効果的には思えず。
もっと小さな劇場でやって脇の空間なんてなくしてしまったほうが良かったのではないだろうか。
もしプラザソルでやらなければいけないという制約があったのなら、
もうちょっと違う舞台装置の構成を考えるべきだと思う。
話的には序盤でお客を掴めなかったのが痛手だったように感じた。
70歳の老人を演じる役者が軒並み20代か30代にしか見えなかったという
見た目の問題もあったたが、どちらかというと会話が回っていなかったのが大きな問題。
振り回す立場、振り回される立場が明確になっていて
そのやりとりの妙で笑わせることができる部分がいっぱいあるのに
それを取りこぼしまくっているのだ。
台詞の投げ方が上手い役者が少なかったせいでもあるが、
なにより振り回される弟が「怒り」を前面に押し出し過ぎているのが大きな原因だと思う。
漫才でツッコミがブチ切れていたら笑えないのと一緒。
振り回される側は「怒り」以外で「振り回されている」を表現しなければ見ている側は笑えない。
そのため老人の横暴に弟がただキレまくっているという、
見ていてただ居心地の悪いシーンになっていた。
コメディとまでは言わないが、お客が楽しくドタバタを見れるように仕上げられれば良かったのに。
これでは弟はもちろん、振り回している側の老人達も悪に見えてしまい、
お客は彼らに嫌悪感しか感じなくなってしまう。
そして老人達に悪い印象を持たれたまま回想シーンに入ってしまっては、
そこで生きる彼らの若い姿に共感なんて得ようもない。
後半の回想シーンが大事なはずなのに、
この時点で作品として全体的に破綻してしまうのだ。
実際どうしても自分は登場人物達に感情移入ができず、
どんなに良い台詞を聞いてもイマイチ心に響いてくることはなかった。
伝えたいメッセージがあるからこそ、この時期にこの作品を演ったのだと思うのだが・・・。
なんだか残念な仕上がりの作品になっていたように感じた。
あと父役と、若い頃の父役を別の役者が演じていたのはどういった事情だったのだろうか。
趣味の問題、演出の都合、政治的な事情、いろいろあるだろうが、
この点についてだけは、100%同じ役者が演じるべきであったと断言したい。
別人で演じ分けることで作品が持つ意味はゼロであろう。
見ていていろいろ疑問符が出てしまった作品だった。
個人的な要望として、あまり戦争物の作品でコケてほしくない気持ちがある。
忘れてはいけないものだから、それの伝え方ももう少し丁寧にしっかりやってほしいと思った。
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劇団ニコルソンズ 第3回公演 「グッバイ・エイリアン」
【脚本・演出】
木下半太
【キャスト】
片桐仁(ラーメンズ)、火野蜂三、赤星まき、堀ノ内晴子、望月優、玉上鈴子、
立山誉、愛下哲久、田尾寅吉、古城青大、西郷豊(The Dusty Walls)、
山本真由美、安田ユーシ、山田能龍(山田ジャパン)、鬼塚俊秀、
土佐和成(ヨーロッパ企画)、原敏一(劇団赤鬼)、下村和寿(劇団赤鬼)
【日程・会場】
○東京公演
2012年8月8日(水)~12日(日)
渋谷区文化総合センター大和田 伝承ホール
○大阪公演
2012年8月24日(金)~26日(日)
ABCホール
【チケット】
前売 4,500円
当日 4,800円
全席指定席
【公式HP】
劇団ニコルソンズ 公式HP
============================
1974年8月、大阪の千里ニュータウンの団地で、UFOの目撃談が集まる。
しかし、その目撃談は、天才だがむっつりスケベの物理学者・星野(片桐仁)と
天才だが陽気なスケベの詐欺師・岡安(火野蜂三)の“犬猿の仲コンビ”による仕業だった。
共通点はスケベだけ。
ある家族を救う為、喧嘩を繰り返しながらも嘘を作りあげていく。
浪速の女刑事・鳳(赤星まき)の捜査が迫る中、嘘は収拾がつかないほどに大きくなり、
とうとう日本政府やNASAまで巻き込む大事件に発展する・・・。
この夏、話題沸騰の劇団ニコルソンズが贈る、昭和人情エイリアン喜劇。
座長は悪夢シリーズ(幻冬舎文庫)などで活躍するベストセラー作家・木下半太。
本人は「映画化を狙ってます。あとモテたい」とスケベ心丸出しで息巻いている。
以上公式HPから抜粋したあらすじ。
ラーメンズの片桐仁、火野蜂三をはじめ、非常に個性的な役者が多かった。
しかも一人一人が実力を持っているのでどのシーンも見所が多く、
終始ダレることなく面白かった。
話の展開も楽しいし、次々におかしな人達が登場して
主人公の片桐仁をとことん振り回していく。
振り回しているほうも面白いし、振り回される片桐仁のリアクションも本当に秀逸。
笑わせ方がとにかく上手い集団だった。
火野蜂三のスローなしゃべりだけちょっとテンポ的に気になったが。
でもそれが理由で面白い箇所も多いのでこのへんは好みなのかな。
気になってしまったのはストーリーの主軸のほう。
なんだかなぁと思う点がけっこう多かった。
あらすじでは、天才物理学者と天才詐欺師のタッグが
ものすごい騒動を巻き起こすみたいに書かれていて、
当然それがこの公演の一番のメインの盛り上がり部分だと思ってしまうのだが、
実際にはそれほどでもなかったのが残念。
天才物理学者と天才詐欺師が結託して世間に対してUFO騒動を仕掛けにいくのだが、
仕掛けていく内容がギャグに走って陳腐すぎて、見所には全然なっていなかった。
せっかく天才同士のコンビなんだから、天才的な発想の仕掛けを見せて驚かせてほしかった。
これだったら天才設定いらないじゃん。
UFO騒動自体もラーメン屋の中で仲間内で騒いでいる描写しかないため、
視覚的には狭いコミュニティでの内輪話にしか見えないし、
セリフだけで「日本政府やNASAが動いてる」って言われてもインパクトがない。
そしてUFOキチガイのお父さんの屋根の上での会見。
会見の内容・演技ともに非常に熱くて素晴らしかったのだが、
それまでの段階でお客に与えているお父さんの印象が
「UFOキチガイの狂った自己中のおっさん」でしかないのがよろしくない。
お客に「このお父さん救われてほしい!」と思わせる作業がされていないため
どうしても感情移入がし辛く、盛り上がりがもう一歩だった。
あとお父さん関連の話が終わった後の悪徳刑事の話が非常に蛇足に感じた。
メインのお話が終わってそろそろ終演かなと思ったあとに
別の話が20分も続けばお客は気持ち的に萎えてくる。
このへんの話自体も不自然過ぎてよくわかんないし。
市民に手をあげているところを同僚刑事に見られてる時点でチェックメイトなのに、
その後に「弟がどうなってもいいのか!」って脅す意味がわかんない。
それ人質として成立しないでしょ。
なので、その弟は実はニセモノで詐欺師が仕組んだ別人でしたって言われても
その発想の凄さがイマイチ伝わってこない。
しかもニセモノって判明して
「・・・じゃあ、お前、いったい誰なんだ!?ゴクリッ・・・」
ってときにかかるものすごい重々しいBGM。
恥ずかしながら自分は「ここで宇宙人出してくるか!意表突かれた!」って思って
鳥肌が立って、しかもただの詐欺師の友達って知ってガックリきた人である(笑)
これ自分だけじゃないと思うのだが。
個人的には悪徳刑事の話を省いて、UFO騒動関連部分をもっと練ってほしかったと思う。
タイトルも「グッバイ・エイリアン」なわけだし。
キャスト面やストーリー面で何か大人の事情があったのだろうか?
ちょっと話を横に拡げ過ぎてまとまらなかった感が残ってしまった。
全体的に面白かっただけにそのへんだけが残念。
【脚本・演出】
木下半太
【キャスト】
片桐仁(ラーメンズ)、火野蜂三、赤星まき、堀ノ内晴子、望月優、玉上鈴子、
立山誉、愛下哲久、田尾寅吉、古城青大、西郷豊(The Dusty Walls)、
山本真由美、安田ユーシ、山田能龍(山田ジャパン)、鬼塚俊秀、
土佐和成(ヨーロッパ企画)、原敏一(劇団赤鬼)、下村和寿(劇団赤鬼)
【日程・会場】
○東京公演
2012年8月8日(水)~12日(日)
渋谷区文化総合センター大和田 伝承ホール
○大阪公演
2012年8月24日(金)~26日(日)
ABCホール
【チケット】
前売 4,500円
当日 4,800円
全席指定席
【公式HP】
劇団ニコルソンズ 公式HP
============================
1974年8月、大阪の千里ニュータウンの団地で、UFOの目撃談が集まる。
しかし、その目撃談は、天才だがむっつりスケベの物理学者・星野(片桐仁)と
天才だが陽気なスケベの詐欺師・岡安(火野蜂三)の“犬猿の仲コンビ”による仕業だった。
共通点はスケベだけ。
ある家族を救う為、喧嘩を繰り返しながらも嘘を作りあげていく。
浪速の女刑事・鳳(赤星まき)の捜査が迫る中、嘘は収拾がつかないほどに大きくなり、
とうとう日本政府やNASAまで巻き込む大事件に発展する・・・。
この夏、話題沸騰の劇団ニコルソンズが贈る、昭和人情エイリアン喜劇。
座長は悪夢シリーズ(幻冬舎文庫)などで活躍するベストセラー作家・木下半太。
本人は「映画化を狙ってます。あとモテたい」とスケベ心丸出しで息巻いている。
以上公式HPから抜粋したあらすじ。
ラーメンズの片桐仁、火野蜂三をはじめ、非常に個性的な役者が多かった。
しかも一人一人が実力を持っているのでどのシーンも見所が多く、
終始ダレることなく面白かった。
話の展開も楽しいし、次々におかしな人達が登場して
主人公の片桐仁をとことん振り回していく。
振り回しているほうも面白いし、振り回される片桐仁のリアクションも本当に秀逸。
笑わせ方がとにかく上手い集団だった。
火野蜂三のスローなしゃべりだけちょっとテンポ的に気になったが。
でもそれが理由で面白い箇所も多いのでこのへんは好みなのかな。
気になってしまったのはストーリーの主軸のほう。
なんだかなぁと思う点がけっこう多かった。
あらすじでは、天才物理学者と天才詐欺師のタッグが
ものすごい騒動を巻き起こすみたいに書かれていて、
当然それがこの公演の一番のメインの盛り上がり部分だと思ってしまうのだが、
実際にはそれほどでもなかったのが残念。
天才物理学者と天才詐欺師が結託して世間に対してUFO騒動を仕掛けにいくのだが、
仕掛けていく内容がギャグに走って陳腐すぎて、見所には全然なっていなかった。
せっかく天才同士のコンビなんだから、天才的な発想の仕掛けを見せて驚かせてほしかった。
これだったら天才設定いらないじゃん。
UFO騒動自体もラーメン屋の中で仲間内で騒いでいる描写しかないため、
視覚的には狭いコミュニティでの内輪話にしか見えないし、
セリフだけで「日本政府やNASAが動いてる」って言われてもインパクトがない。
そしてUFOキチガイのお父さんの屋根の上での会見。
会見の内容・演技ともに非常に熱くて素晴らしかったのだが、
それまでの段階でお客に与えているお父さんの印象が
「UFOキチガイの狂った自己中のおっさん」でしかないのがよろしくない。
お客に「このお父さん救われてほしい!」と思わせる作業がされていないため
どうしても感情移入がし辛く、盛り上がりがもう一歩だった。
あとお父さん関連の話が終わった後の悪徳刑事の話が非常に蛇足に感じた。
メインのお話が終わってそろそろ終演かなと思ったあとに
別の話が20分も続けばお客は気持ち的に萎えてくる。
このへんの話自体も不自然過ぎてよくわかんないし。
市民に手をあげているところを同僚刑事に見られてる時点でチェックメイトなのに、
その後に「弟がどうなってもいいのか!」って脅す意味がわかんない。
それ人質として成立しないでしょ。
なので、その弟は実はニセモノで詐欺師が仕組んだ別人でしたって言われても
その発想の凄さがイマイチ伝わってこない。
しかもニセモノって判明して
「・・・じゃあ、お前、いったい誰なんだ!?ゴクリッ・・・」
ってときにかかるものすごい重々しいBGM。
恥ずかしながら自分は「ここで宇宙人出してくるか!意表突かれた!」って思って
鳥肌が立って、しかもただの詐欺師の友達って知ってガックリきた人である(笑)
これ自分だけじゃないと思うのだが。
個人的には悪徳刑事の話を省いて、UFO騒動関連部分をもっと練ってほしかったと思う。
タイトルも「グッバイ・エイリアン」なわけだし。
キャスト面やストーリー面で何か大人の事情があったのだろうか?
ちょっと話を横に拡げ過ぎてまとまらなかった感が残ってしまった。
全体的に面白かっただけにそのへんだけが残念。
芸術集団れんこんきすた Vol.17 「カメラ・オブスキュラ」
【脚本・演出】
奥村 千里
【キャスト】
中川朝子、 舘成樹、 尾崎彰雄、 濱野和貴、山本春樹(芝居集団「Team-Jishin」)、
加賀喜信、調布大(ULPS)、大橋きよし、
【日程】
2012年7月25日(木) ~ 29日(日)
【場所】
川崎H&Bシアター
【チケット】
前売 2,800円
当日 3,300円
学割 2,000円
全席自由席
【公式HP】
れんこんきすた 公式HP
============================
ビリヤード台とイスが何脚かだけ置いてある、薄暗い小さな部屋。
そこで男たちが会話をしているところから物語は始まる。
一人だけ女性がいるが、他の人間には見えていない異質の存在。
詳細は語られないが、どうやら部屋の外の世界は大変なことになっているらしい。
この部屋にいるのはそんな外界をシャットアウトし、
ただひたすら時を過ごす生活を選んだ人間たち。
昔の記憶があいまいな老人、妻を手にかけた男、頭が良くて口の悪いインテリ男、
アジア系で感情的な男、その幼馴染、元兵士、日本人留学生。
男7人は何気ない会話をしたり、自分の過去の話をしたり、ぶつかり合ったり・・・。
異質な部屋のなかで異質な女を交えて進む、人の心情を深く掘り下げた会話劇。
かなり興味深い世界観だった。
最初は安直に死後の世界なのかなと思ったがそういうわけではなく、
辛いことばかりの現実に確かに存在する、ひとつの逃げ場所のような部屋。
人の感情をそこで引き止めて前にも後ろにも動かなくしてしまうような、
そんな不思議で神秘的な空間がそこに描かれており、それは非常に美しく素晴らしい。
マンションの3階を改装して作られたH&Bシアターそのものの立地も手伝って、
「カメラ・オブスキュラ(暗い部屋)」の名にふさわしい作品であった。
作品は会話劇で、遊園地再生事業団の「砂に沈む月」を思い出す内容だった。
あちらは砂漠の中にぽつんと存在する観測所の室内で淡々と進む会話劇だったが、
ロケーションの滑稽さなどで共通する部分を感じた。
ただ、中盤で日本の現状を具体的に説明するシーンは不要に感じてしまったが。
ここまで登場人物の日常会話だけを見て、お客はそれぞれ劇中の世界を創造してきているのに、
急に設定を押し付けてくるような、そんな無粋な行為を受けたように感じてしまった。
こういうのはなんだかもったいない。
あと、会話そのものが単調で、世界観のわりにはあまり引き込まれなかったのが残念な点。
けっこう演技演技している喋り方をする役者が多く、
しかもそういう役者に限って長ゼリフが多いので、なんだかもっさりしたシーンが多かった。
大人数でぽんぽんと会話していくシーンはリズムが良くて見やすいのだが、
1対1での会話や、独白のシーンは正直飽きが来るのが早くて辛かった。
実際お客さんの中には夢の世界へ旅立ってしまってる人もチラホラ。
今回の芝居を観て、独白のシーンって本当に難しいなと再確認した。
脚本に書かれたセリフの内容、役者のセリフの言い回し、その表情やしぐさなど、
さまざまな要素を使ってお客を引き込まなければいけない。
笑いをとるのが一番安直な方法なのだが、
今回のようなジャンルの芝居はそういうわけにもいかない。
うーん、演出・役者ともに本当にハイレベルの技量を要求されるね。
あと芝居中で空調が直った・壊れたというのを
実際に劇場の空調のオン・オフで表現していたのだが、
これは個人的にはナシかなと思った。
これだけ殺人的に暑い季節にエアコンなしで、
あの天井が低く暗く狭い空間に大人数で閉じ込められているのはやはり苦痛。
逆にエアコンがオンになると、それまで暑かったぶんをリカバリーしようとしているのか
ものすごく冷風が強く吹き込まれて、逆に寒くて仕方がなかった。
正直そこまで効果的な演出とは思えなかったので、できればやめてほしい。
エアコン起動時の臭いニオイのほうが遥かに気になるし。
気になる点をいくつか書いてしまったが、
本当に世界観は素晴らしいと思う。
もっと大きなハコで、多くのお客の前でやってほしい。
認められていい要素はたくさん持っていると思う。
年2回ほどのペースで公演を続けているようなので今後に期待したい。
【脚本・演出】
奥村 千里
【キャスト】
中川朝子、 舘成樹、 尾崎彰雄、 濱野和貴、山本春樹(芝居集団「Team-Jishin」)、
加賀喜信、調布大(ULPS)、大橋きよし、
【日程】
2012年7月25日(木) ~ 29日(日)
【場所】
川崎H&Bシアター
【チケット】
前売 2,800円
当日 3,300円
学割 2,000円
全席自由席
【公式HP】
れんこんきすた 公式HP
============================
ビリヤード台とイスが何脚かだけ置いてある、薄暗い小さな部屋。
そこで男たちが会話をしているところから物語は始まる。
一人だけ女性がいるが、他の人間には見えていない異質の存在。
詳細は語られないが、どうやら部屋の外の世界は大変なことになっているらしい。
この部屋にいるのはそんな外界をシャットアウトし、
ただひたすら時を過ごす生活を選んだ人間たち。
昔の記憶があいまいな老人、妻を手にかけた男、頭が良くて口の悪いインテリ男、
アジア系で感情的な男、その幼馴染、元兵士、日本人留学生。
男7人は何気ない会話をしたり、自分の過去の話をしたり、ぶつかり合ったり・・・。
異質な部屋のなかで異質な女を交えて進む、人の心情を深く掘り下げた会話劇。
かなり興味深い世界観だった。
最初は安直に死後の世界なのかなと思ったがそういうわけではなく、
辛いことばかりの現実に確かに存在する、ひとつの逃げ場所のような部屋。
人の感情をそこで引き止めて前にも後ろにも動かなくしてしまうような、
そんな不思議で神秘的な空間がそこに描かれており、それは非常に美しく素晴らしい。
マンションの3階を改装して作られたH&Bシアターそのものの立地も手伝って、
「カメラ・オブスキュラ(暗い部屋)」の名にふさわしい作品であった。
作品は会話劇で、遊園地再生事業団の「砂に沈む月」を思い出す内容だった。
あちらは砂漠の中にぽつんと存在する観測所の室内で淡々と進む会話劇だったが、
ロケーションの滑稽さなどで共通する部分を感じた。
ただ、中盤で日本の現状を具体的に説明するシーンは不要に感じてしまったが。
ここまで登場人物の日常会話だけを見て、お客はそれぞれ劇中の世界を創造してきているのに、
急に設定を押し付けてくるような、そんな無粋な行為を受けたように感じてしまった。
こういうのはなんだかもったいない。
あと、会話そのものが単調で、世界観のわりにはあまり引き込まれなかったのが残念な点。
けっこう演技演技している喋り方をする役者が多く、
しかもそういう役者に限って長ゼリフが多いので、なんだかもっさりしたシーンが多かった。
大人数でぽんぽんと会話していくシーンはリズムが良くて見やすいのだが、
1対1での会話や、独白のシーンは正直飽きが来るのが早くて辛かった。
実際お客さんの中には夢の世界へ旅立ってしまってる人もチラホラ。
今回の芝居を観て、独白のシーンって本当に難しいなと再確認した。
脚本に書かれたセリフの内容、役者のセリフの言い回し、その表情やしぐさなど、
さまざまな要素を使ってお客を引き込まなければいけない。
笑いをとるのが一番安直な方法なのだが、
今回のようなジャンルの芝居はそういうわけにもいかない。
うーん、演出・役者ともに本当にハイレベルの技量を要求されるね。
あと芝居中で空調が直った・壊れたというのを
実際に劇場の空調のオン・オフで表現していたのだが、
これは個人的にはナシかなと思った。
これだけ殺人的に暑い季節にエアコンなしで、
あの天井が低く暗く狭い空間に大人数で閉じ込められているのはやはり苦痛。
逆にエアコンがオンになると、それまで暑かったぶんをリカバリーしようとしているのか
ものすごく冷風が強く吹き込まれて、逆に寒くて仕方がなかった。
正直そこまで効果的な演出とは思えなかったので、できればやめてほしい。
エアコン起動時の臭いニオイのほうが遥かに気になるし。
気になる点をいくつか書いてしまったが、
本当に世界観は素晴らしいと思う。
もっと大きなハコで、多くのお客の前でやってほしい。
認められていい要素はたくさん持っていると思う。
年2回ほどのペースで公演を続けているようなので今後に期待したい。
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